甲状腺についてThyroid
甲状腺・甲状腺ホルモンとは?
甲状腺は頸部(くび)ののどぼけのすぐ下にある、蝶のような形をした臓器で、生活していく上でとても重要な「甲状腺ホルモン」を分泌しています。
甲状腺ホルモンは、全身の新陳代謝を促進させる働きをしており、脈拍数、体温、自律神経などの働きを調節し、エネルギーの消費を一定に保っており、子どもの成長や大人の脳の働きを維持するためにとても重要な役割を担っています。
また、女性においては、甲状腺ホルモンの異常が不妊や流産、早産を引き起こす場合もあります。
甲状腺はどこにあるの?
甲状腺は、のどぼとけから親指2本分くらい下の方に位置し、蝶が羽を広げたような形をしています。
甲状腺の病気って、どんな病気?
甲状腺の働きに異常があると、全身にさまざまな症状が現れ、「なんとなく調子が悪い状態」が続くことがあります。
また、甲状腺の病気にかかるのは、女性のほうが多いと言われています。
下記のような症状がいくつかあてはまる方は、一度検査を受けてみてはいかがでしょうか。
甲状腺ホルモンが多すぎる場合
- 疲れやすい、集中力低下
- 眠りが浅い
- イライラする
- 暑がりになった
- 動悸、息切れ
- 汗をかきやすい
- 髪の抜け毛が多くなった
- 下痢
- 食べているのに体重が減る
- 手の指が震える
- 目が大きくなったと言われる
- 甲状腺が大きい
甲状腺ホルモンが不足している場合
- 疲れやすい、集中力低下
- 眠気
- やる気が出ない
- 寒さに弱くなった
- 脈が遅い
- 肌が乾燥する
- 髪の抜け毛が多くなった
- 便秘がちである
- 食べてないのに体重が増える
- 爪が割れやすくなった
- 月経不順
- 甲状腺が大きい
甲状腺ホルモンが多く分泌される場合、「バセドウ病(甲状腺機能亢進症)」と言われます。
甲状腺ホルモンが不足している場合、「甲状腺機能低下症」と言われ、原因は「橋本病(慢性甲状腺炎と同義)」のことがほとんどで、自己免疫が関連しています。
他にも甲状腺がん、亜急性甲状腺炎といった病気もあります。
また甲状腺は症状が多岐にわたるので、他の病気と間違わられることも甲状腺の病気の特徴です。
間違われやすい疾患
- 更年期障害
- 認知症
- 心臓病
- 自律神経失調症、うつ病
- 加齢
- AGA など
甲状腺か気になるけど、どんな検査でわかるの?
甲状腺の検査には、甲状腺ホルモンの状態や疾患に特有の自己抗体を調べる「血液検査」と、甲状腺の形、大きさを調べる「超音波検査」の2種類があります。
血液検査では、血液の中にある甲状腺ホルモンや甲状腺刺激ホルモン(脳から出ます)を測定し、甲状腺が働きすぎか(亢進症)、休みすぎか(低下症)を調べます。
超音波検査では、甲状腺の形、大きさを調べて異常の有無を確認します。
治療方法は?
甲状腺の病気と診断された場合、症状により複数の治療方法がございます。
甲状腺ホルモンが不足している状態(甲状腺機能低下症)の治療
お薬で不足している甲状腺ホルモンを補います。
橋本病でもホルモン値に異常がない場合は経過観察となります。
甲状腺ホルモンが多すぎる状態(甲状腺機能亢進症)の治療
お薬で甲状腺ホルモンの合成を抑えるのが一般的ですが、医療機関や症状により、手術、アイソトープ治療を選択される方もいます。
※当院では薬での治療となります。
症状で気になることがある方や、健診で甲状腺が大きいと言われた方は一度当院までご連絡ください。