血糖値を持続的に測定できるフリースタイルリブレについて
こんにちは!
渋谷の内科・糖尿病などの生活習慣病検査を行う【渋谷済生クリニック】医師の入江聖子です。
今回は採血をせずに血糖値(正確には下記に説明します間質液の糖値ですが、本記事では血糖値と書きます)を24時間連続して測定することができる「フリースタイルリブレ」についてご紹介したいと思います。
リブレは、血糖値の変動を持続的にモニタリングすることができる機器です。
14日間、連続して測定することができます。
リブレは、間質液中のグルコース(ブドウ糖)濃度を測定し、血糖値を推測しています。
間質液とは、細胞と細胞の間に存在する液体で、血液から送られた酸素やブドウ糖を含んでいます。
間質液のグルコース濃度は血液の濃度(血糖値)とほぼ同じこととなることが解明されています。
リブレのセンサーは図のような500円玉程度の大きさで、上腕後部に装着し、14日間測定を行います。センサーは防水ですので、強くこすったりしなければ、入浴、シャワー、水泳中も装着可能です。センサーに血糖を測定するリーダーをかざすことで血糖をスキャンすることができます。スマートフォンにアプリを登録すれば、スマートフォンで測定することも可能で、現在使用されているリブレ2はBluetoothでデータが移行しますので、スキャンをしなくとも自動的にスマホにデータが転送されます。
(14日間持続的に測定してくれます)
リブレを装着して測定することで、このように血糖変動を点ではなく線で見ることができるので、以下のようなことがわかります。
【メリット】
・持続的に測るため、血糖の1ー2ヶ月の平均値と言われているHbA1cだけではわからない日々の血糖マネジメントの良し悪しがわかる。
・夜間低血糖や暁現象(明け方の血糖上昇)の有無がわかる。
・食後高血糖(血糖値スパイク)の有無がわかる。
・以前より血糖値を測っている方は穿刺器具を使用しなくてよくなるため痛み、測るための手間がなくなります。
【デメリット】
リブレを装着した際の注意点としては、
・センサー装着部位に皮膚の炎症が見られることがある。
・CT、MRI、レントゲンなどの画像検査の際には外すように指示されることがあります。
装着する際には専用の器具を使用しますが、痛みはほとんどなく、また装着中もほぼ違和感はありません。
専門医として自分でも体験して患者様への説明に役立てたいため、私が実際に装着してみました。
感想ですが、おにぎりを食べると血糖が上がる、グラタン(チーズたっぷり)はあまり上がらない、食後に運動すれば血糖が下がるなどということが実感できました。
血糖が上がっているのに気づくと、次は食べ過ぎないようにしよう、と気を付けることができます。
リブレは以前から1型糖尿病や2型糖尿病の方でインスリン使用中の方には継続的にお使い頂いており、2型糖尿病で薬のみの方は半年に1回、保険で検査することが可能でした。
この度2型糖尿病であればお薬を飲んでいなくても半年に一回保険診療で検査いただけるようになりました。
当院ではリブレ装着後、専門医からの詳細な説明と、栄養士による食べ方の工夫のヒントなどをお話しております。
食事、運動など生活習慣の改善に頑張って取り組んでいるのに血糖マネジメントが改善しない、採血では血糖値はよいのにHbA1cは高いなど、血糖変動を測定したい方はぜひご気軽に当院までご相談頂ければと思います。