糖尿病患者の食事療法アップデートについて
渋谷・恵比寿・代官山の中間に位置する【渋谷済生クリニック】です。
日中かなり暑くなってきましたが、夜は冷える時があるので、カーディガン等で体温調節をして体調にはくれぐれもお気を付けください。
今回の学会では「糖尿病患者の食事療法アップデート」の話題が取り上げられ、それについて解説していきます。
糖尿病の治療には「食事療法」、「運動療法」、「薬物療法」があります。
今まで色々な患者さんを診てきましたが、この3つの中で好きな物を我慢しないといけない食事療法が最も難しいと考えていますが、最も効果があるのも事実です。
糖尿病患者さんにおいて、最適な食事療法とは、食事制限ではなく、適正なエネルギー量でバランスのよい食事を1日3回規則正しく摂取することです。
近年、高齢者においては、サルコペニアやフレイルの観点から、これまでよりもエネルギー設定(カロリー)が高くなりました。
肥満がない高齢者の場合、目標体重の設定をA【身長m×身長m×22~25】とし、1日に必要なエネルギーもA×30~35kcal(日常生活の場合)を標準とすることとしました。
また、炭水化物量は1日総エネルギーの50~60%にすることがよいことも示され、過度の糖質制限は死亡率が高くなることも証明されました。
糖尿病の食事療法において朝食が大事なこと、朝食からしっかりタンパク質を摂取すること、3食バランスよく食べること、ロイシンを含むタンパク質(鶏肉や魚などのホワイトミート)や食物繊維、発酵食品の味噌などの摂取はサルコペニアの減少につながることなども示されました。
腎臓の悪い方は大豆などの植物性タンパク質の方が負担が少ないことがわかっています。
脂質の話題では、中鎖脂肪酸(MCT)はすばやく消化、吸収され、筋力を増やすことにつながることも示されました。
このような情報を日常生活に取り入れ、食事量の制限だけでなく、健康な食生活を送っていただければと思います。
食事療法については患者さんの個々に合わせて指導しております。
食事について何かご相談したいことがございましたら、担当医師にご質問ください。
当院の医師は全て糖尿専門医のため食事に関する質問にもお答えいたします。
また栄養士による栄養指導も行っております。
お気軽にご相談ください。
糖尿病専門医:入江 聖子 監修:加藤 清恵