運動療法のサイエンス
明治通り沿いの渋谷と恵比寿の中間にある【渋谷済生クリニック】医師の加藤、入江です。
今年も梅雨に入りましたね。
急に天候が変わることがあるので出かける際は折りたたみ傘を忘れないでください。
今回は、以前ブログ内でフォーカスしておりました糖尿病学会の話題の中から「運動療法のサイエンス」についてお伝えしたいと思います。
以前より厚生労働省から国民向けに出ている「アクティブガイド」より健康づくりのための身体活動基準、身体活動指針のガイドラインが示されています。
その中では、慢性疾患のある方や成人の方も一日8000歩、60分、高齢者の方で一日6000歩、40分が推奨されています。
いつもの活動にプラス10分間多く体を動かそうというコンセプトです。
5月の学会ではただ歩くのではなく「しっかり意識して行う運動30分+家事などの生活で10分間体を動かすよう」にとされ、長時間継続して行う有酸素運動に加え、週2回以上のレジスタンス運動(筋トレ)が推奨されています。
いきなり運動をすると体に負荷がかかるので徐々に運動時間を増やして行くのが良いと思います。
運動量については主治医の先生や運動トレーナーなどに普段の身体活動や強度を確認し、どのような運動をしていきたいかを個々に相談するようにお願いします。
糖尿病患者の方では加齢とともに筋肉量が減少する「サルコペニア」と呼ばれる状態が多く見られます。
中高生の時に運動習慣があり、現在も運動習慣がある方は、ない方に比べてサルコペニアや骨粗しょう症(骨が羸くなって骨折しやすくなる病気)が少ないことが分かっています。
また、「血糖コントロールに効果的な細切れ運動」という話題も取り上げたいと思います。
近年、座位時間が長いほど糖尿病、肥満、死亡率が高いことが分かってきております。
しっかりした運動でなくても、30分に2~3分の短時間で軽い有酸素運動や筋トレをすることが有効とされています。
細切れ運動のひとつとして、YouTubeでも配信されている「スロージョギング(歩く速度で走る)」が日々の運動にも取り入れることができるので、ご参考になさってください。
次回もフォーカスをあてていた件について書こうと思います。