明けましておめでとうございます。

渋谷区東にあります内科・糖尿病・生活習慣病検査を行う【渋谷済生クリニック】医師の入江聖子です。

今回は当院でできる動脈硬化の検査の一つ、頸動脈エコー(超音波)検査についてご解説したいと思います。

 

まずは動脈硬化からご説明いたします。

動脈硬化とは
動脈にコレステロールやなどが動脈にたまり、詰まったり、硬くなったりして弾力性や柔軟性を失った状態のことを言います。
それによりスムーズに酸素や栄養が細胞に送れなくなることを動脈硬化と言います。
動脈硬化を放っておくと脳卒中(脳梗塞・脳出血)や心臓病(心筋梗塞・狭心症)など、重篤な病気を引き起こす恐れがあります。

 

頚動脈エコーでわかることは?
まず頚動脈は脳に血液を送る大切な血管です。
大切な血管(頚動脈)が動脈硬化を起こしてないか、血液が正常に流れているかを調べるための検査です。
頚動脈の動脈硬化を調べることによって、現在の動脈硬化を推測することができると考えられております。

 

頚動脈エコー検査について
頸動脈エコー検査は左右の頸部にプローブというプラスティック製の装置を当て、そこから超音波を発信し、頸動脈の血管の内部や血流を見る検査です。
動脈硬化は徐々に進行し、心臓病、脳卒中などのリスクとなります。
まず、血管の弾力性の低下(硬くなる)が生じ、次に内膜の肥厚、コレステロールなどの脂が溜まったプラークが出現し、血管の狭窄や閉塞へと進展します。
頸動脈は体の表面に近い部分ですので、検査時間も15分~20分と短く、エコー検査で簡単に血管の状態を見ることができます。
(3割負担の方の保険診療で検査のみですと自己負担額1,500円程)

 

頸動脈エコーで分かることは主に以下の3点です。

1.頸動脈の壁の厚さ(内膜中膜複合体厚(IMT))

動脈硬化の進展具合、つまり血管のしなやかさが分かります。
頸動脈の壁の厚さが厚いほど、全身の血管の動脈硬化も進展している可能性があります。また年齢や生活習慣により壁の厚さが厚くなります。

 

2.頸動脈プラーク(限局性隆起性病変)

血管の中にある隆起性病変、いわゆるあぶらの塊が認められます。1.0mmを超 えるプラークを認める場合、動脈硬化ありと診断します。
また、プラークの性状も確認します(硬い感じか軟らかい感じか)。プラークは脳梗塞や心筋梗塞の原因となります。

 

3.頸動脈の血流、狭窄や閉塞の有無

プラークが進展すると血管の内腔が狭くなり、血液の流れが悪くなります(狭窄)。さらに進展すると完全に血液の流れがなくなります(閉塞)。この血液の流れを検査(ドップラーエコー)し、障害の程度を確認します。

 

 

 

以下に示す動脈硬化のリスクを持つ方にはぜひ一度検査をお受けいただきたいと思います。

糖尿病、高血圧症、脂質異常症を有する方

脳梗塞、心筋梗塞の既往のある方

喫煙歴のある方

肥満症を有する方

 

頸動脈エコーは痛みのない、苦しさのほとんどない検査で、また頸部の検査ですので、食事の制限も不要です。検査時間は15分~20分程度です。簡単にできて動脈硬化が分かりますので、ご興味のある方はぜひ医師にご相談ください。

次回は血管年齢を知ることのできるPWV検査についてご紹介します。

 

インフルエンザウイルスも流行っているので、皆様体調にはくれぐれもお気をつけください。

渋谷済生クリニック